in my life

趣味についてひたすらアウトプットしていきたい

マンガ:「さくらの唄」 作画:安達哲

なんていうか・・・・ここまで青春時代の弱さや汚さを、徹底的に描ききったマンガって、他に無いんじゃないかなあ。徹底してるが故に、逆にそれが青春時代の儚さや美しさを、とてもよく表現できているのだ。 これを読んで共感できない男ってのは、よっぽど楽しい人生を送ってきたヤツか、よっぽど感性が鈍いバカだろう。もしくは、マンガを読み慣れてない人かな。前半は、思わず頷いてしまうほどの名ゼリフの大洪水、そして後半は、徹底的に打ちのめされるような、残酷だが胸を打つ名ゼリフのオンパレード! 「オ×××より大切なものが、生活に欲しかったんだ」 「原発が見える。おれたちゃまるで砂つぶだ」 「城が壊れるのを、おれは笑いながら見ていた」 「オレたちは非力だということを、ヤクザのポ×××によって思い知らされた」 「どうしてそういう言い方しかできないんだ。このおれの清らかな想いを」 「今日こそオ×××してやる」 「レンゲ草の匂い。何年経っても、おれはこの匂いをかくたびに思い出す。  この日差しの角度と出会うたびに思い出す。今日君とこうして歩いたことを―」 「ポッキー・オン・ザ・ロックの氷も溶けていた」 「いいとも。映画のためなら、喜んでピエロになろう!」 「おれの生活を彩るのは、花でも美しい風景でもない。あの子の言葉だ」 「そう、今日はデート!自分に人生があったのは、この日のためだったのだ」 「この子と一緒にいれば、暗くなりようがないんだってことに気付いた」 「おれに権力があれば、今のポエムに全ての名誉を与えるだろう」 「おれといると、この子まで色あせる」 「またデートできたらなあ、ちくしょう・・・・」 「おれは・・・・おれは普通のまともな・・・・ただの普通の高校生だよ」 「売り渡して困るほど、気高い魂も持ってるとは思えない」 「魂の自由を!!精神の開放を!!」 「前から思ってたけど、あなたってやっぱり気持ち悪いわ」 「ある程度まともに育ったヤツならわかるはずだ。  おれ達のほとんど8割にろくな将来は無いと」 「最初から自分信用してやればよかったのよ」 ・・・・やばい、気付いたらセリフばっか書いてた(汗)。でも、これ、たった3冊のマンガの中からです。そして、良いのはセリフだけではない。構図や登場人物の表情なども、怖いくらい「リアルに」青春している。この作品の知名度は、もう少し上がってもいいと思います。青春マンガの大傑作!山田孝之主演で、是非とも映画化してもらいたい。 ちなみに、今高校生の人は、まだ読むのをやめた方がいいかも。高校時代ってのは、もっと青春を美化しながら生活してもいい時代だと思うから。わざわざ今これを読んで、青春に絶望することはない。 さくらの唄 (上) さくらの唄 (上) 安達 哲 ↑これは上下2冊のセット。僕が持ってるのは単行本で全3巻。