マンガ:「最強伝説黒沢」 作画:福本伸行
「1巻のリアルさには胸が詰まるッ!」
このマンガ、現在も連載中で、最近はすっかり「オヤジのケンカマンガ」的なノリになってしまった。「なってしまった」というよりは、このタイトルからもわかるとおり、この路線こそが、作者の本来目指すべきところだったのだろうが。独特の精神論を振り回し、ケンカをし(しかも中学生とかとw)、「クスッ」とくる笑いを織り交ぜる―もちろん、これはこれで面白い。だが、どうも笑いを意識して取りに行っているようで、僕はあまり好きではない。
しかぁし!最初に書いたとおり、1巻のリアルさは、全てのサラリーマンの胸に突き刺さるはずだッ!何しろ、第1巻の第1話は、
「感動などないっ・・・・!」
という絶望のコピーが、黒地に白抜きでデカデカと書かれたページで始まるのだ!その後も、40代半ばで独身の自分のことを
「おれは親でもなければ父でもない。つまり親父じゃない・・・・歳男(としお)だ」
と言ってみたり。そして第2話の1ページ目。またまた黒地に白抜きで1ページ使い、
「人望が欲しい・・・・!」
とのコピー。・・・・もう何も言えないっす(苦笑)。20代半ばの僕にとって、まだまだ笑えるマンガではあるのだが、
「ボーッと過ごしていると、あっという間に歳男なんだろうな」
と、思わず怖くなってしまう。多分、リアルな歳男のツラさって、こんな感じなんだろう。
「若さをもてあそばず、一生懸命に生きよう!」
と思わせてくれるマンガであります。・・・・まあ、反面教師ですよ(笑)。
最強伝説黒沢 1 (1)
福本 伸行