島耕作への道 ~第百十四歩目・最初で最後の試作編~
いやいや、無事に試作を終えてきました。今日は、簡単に試作までの流れなんぞを書いていきます。
営業活動:
まずは仕事をもらわないとね。まあ、これは先輩のお得意先を紹介してもらったから楽勝。そして、設計や試作での注意点、部品の用途なんぞを客先と話し合う。
日程管理:
僕にとって最初の担当ってこともあり、今回はこれに最も配慮するように言われた。客先との納期調整や試作工場との日程調整、などなど。
部品手配:
僕の担当した部品は、海外からの材料や部品が必要だった。なるべく早めに全てを用意したいところだが、材料は何しろ場所を取るから、できるだけ試作に合わせて手配しなきゃいけない。消費期限もあるしね。
部品設計:
これは花形作業なんだけど、もちろん僕にできるわけはなく、先輩がCAD使ってるのを隣でボケっと見てました(苦笑)。―で、図面ができたら下請けメーカー(ここでは金型メーカー)に回す。
日程調整2:
ここからが最も大変。客先への納入数の変動、下請けメーカーの納期遅延などが起き、柔軟な対応が必要になってくる。納入数が変わると、必要な材料数も変わるし、客先への見積提示額も変わるからね。試作工場との日程もまた調整しなきゃいけない。そして、これらが完璧に定まって、ようやく試作に行けるわけ。
試作開始:
機械の故障、金型の損壊などなど、予期せぬトラブルは試作につきもの。今回も例外ではなく、いきなり機械にトラブルが起き、試作開始が5時間以上も遅延。それでも、もう客先納期はズラせないから、ひたすら機械の修理を待つ。
試作再開:
数々の困難を乗り越え、ようやく試作を再開。ここまでくると、さすがにトラブルというトラブルは出尽くし、あとは部品を客先納入数だけ取る。
―とまあ、試作の流れってのはこんな感じなんだけど、もちろん試作第一号で客先から合格をもらえるわけはない。下請けメーカーに金型修正指示をし、客先から合格をもらうまでは、以降これの繰り返し。僕はもう転勤だから、この部品を合格まで見届けることができないのが何より残念。ほんとに最初で最後の試作でした。
―しかし、ほんと疲れたわ。それでも、今回は試作を現場の人にやってもらう立場だから、機械の油や汚れにまみれたりってことはなかった。でも、来週からは試作をやる現場側だからね。ほんとキツいと思うよ。まあ、一度行くって決めたからには、そこそこ頑張るつもりです。