in my life

趣味についてひたすらアウトプットしていきたい

マンガ:「蒼天航路」作画:KING☆GONTA 原案:李学仁

「史上最高の三国志マンガ、ここに完結!!」 今日発売の「週刊モーニング↑」で、11年に渡る連載マンガ「蒼天航路」が遂にとうとう完結した。僕はこのマンガが本当に大好きで、毎週木曜日が来るのをどれだけ楽しみにしていたか・・・・。では、このマンガの魅力について、たっぷりと語りたいと思う。 曹操が主人公!! 比較的「敵役」として描かれやすい「曹操孟徳」を主人公に持ってくる、というこの斬新さ!確かにかなり曹操びいき」なのは否めないが、それにしても、軍事・法律・詩文などの豊富な才能を持つ曹操を、ここまで魅力的に描いたマンガは他に無いだろう。 ・正史ベースの三国志マンガ!! 前に紹介した「横山三国志」は、演義ベースの三国志。以降、いろいろな三国志マンガが出たが、「正史ベースの三国志マンガ」というのは、多分この「蒼天航路」が初めてなのではないだろうか。なので、演義ではショボく描かれていた人物たちが、ものすごく魅力的に描かれているのだ! ・凄まじいまでの画力!! ただでさえ普通のマンガ家より数倍上手いGONTA先生だが、そのタッチは「マンガ絵」だけにはとどまらず、「水墨画風」や「ピカソ風」、果ては「古代壁画風」までと多彩。また、流れるようなカットは、まるで映画を観ているかのよう。単行本7巻の「その八十」、「その八十一」なんかほんとすごいよ!城攻め前の静けさと緊張感、戦いの熱気、武将たちそれぞれの思いなどが、まるでほんとに目の前で戦が行われるかのように描き込まれている! ・魅力的な登場人物!! 人物たちの描き分けも素晴らしい!何しろ「三国志」といえば、膨大な数の人間が表れては消えていく広大な物語。その膨大な人物たちをここまで魅力的に描き分けられるのはGONTA先生のみ!画力が優れているのはもちろんだが、その性格付けも素晴らしい!今まで董卓袁紹がここまで魅力的なマンガがあったか!?―ねえだろ!?特に袁紹なんて、思わず配下にならせて頂きたいくらいかっこいい! 他にも、男気たっぷりで常に威風堂々だが、どこか説教臭い夏候惇、散り際がかっこよ過ぎた夏候淵、「弱い人間の本性丸出し」だけど、やるときはやる劉備や、片腕でぶっきらぼうだけど二枚目な鳳雛、「王者の風格」を漂わせながらも早々に逝ってしまった孫堅、「賊」特有のうさん臭さ全開の甘寧などなど、数え上げたらきりが無い。 ・かっこいいセリフの数々!! 魅力的な人物たちが自信満々に吐く、単純明快だがかっこいいセリフ!思わず真似したくなっちまうぜ! 「われ、黙すことあらず(中略)天もわれを許さじ」、「ならばよし!」 「青龍刀をもてい!」、「おいらも天下の器だからさ」、「天下万民、われを尊ぶべし!」 「おお、快なり!」、「気炎万丈、夏候惇軍の精鋭に告ぐ!」、「侠者たちよ、天下を響動もせ」 「この戦は祝福の声に満ちためでたい戦だ」、「俺はな、あんたと一緒に天下に行きたいのだ」 「天よ、ただカツ目せい!」、「わしはそれらを知りたいがため、孟徳と戦うことにする」 「すでにして、おいらのある処が天下だ!」「ここはおめえの来ちゃなんねえところだあ~!」 ・・・・ダメだ、これもきりが無い(苦笑)。 ・見事な幕引き!! 「ここまでは完璧なストーリーのマンガだったが、果たして幕引きはどんなもんだ?」 と、最終回を読み終わったのが数分前。・・・・めっちゃくちゃ見事!もう、「見事」なんてチンケな言葉でしか言い表せない自分のボキャブラリーの無さが悔しくなるくらい見事!そりゃあ、曹操が主人公のマンガだから、最終回の予想はできてたよ。でも、僕のチンケな予想なんかを遥かに吹き飛ばすような、素晴らしいラストでした。しばらく余韻に浸っちゃったよ(涙)。 しっかし、ほんとに終わっちゃったんだな~。まだ信じられない。「もしかしたら、曹操の死後も描いてくれるんじゃないか?」なんて淡い期待を持っていたが、ここまで素晴らしいラストを描かれちゃうと、文句も付けられないよ。 GONTA先生、11年もの長い間、本当にお疲れ様でした!そしてありがとうございました!―多分、もう「蒼天航路」を越える三国志マンガは出てこないだろう。 ※ちなみに、三国志を全く知らない人には少々難しいかと思われる本作。まずは「横山三国志」を読んで全体の流れを掴み、それから本作を読むことを強くおすすめ致します。 蒼天航路 (1) 蒼天航路 (1)