みなさん、さようなら
「20年住んだ実家が、引っ越すことになってしまった」
現在、僕は地方で一人暮らしをしているので特に困ることはないのだが、上記のとおり、実家のある東京郊外には20年住んだ。当然、いろいろ思い出がある。
いや、はっきり言って好きな場所じゃなかったんだけどね、そこの郊外は。田舎だしモラルのないバカばっかりだし。でも、物心ついた小学校時代から、人生で一番恥ずかしい中学時代、いろいろな出会いがあった高校時代、人生が大きく変わった大学時代、初めての社会人生活・・・・書いていくときりがないくらいに思い出がある。
10年20年来の友達も数人いる。徒歩数分で会える友達が。彼らとは毎週のように酒を飲み、あるときは好きなレコード(実際はほとんどCD 笑)を自慢し語り合った。またあるときは、好きな女の子に想いを伝えられないもどかしさを語り合った。今にして思えば他愛もない話ばかりだったが、当時の僕らはいつも大真面目だった。当時の僕らには一番大事なことだった。
とまあ、思い出話はこのへんにして、とりあえず昨日今日と有休取って、引っ越しの手伝いに行ったんだよね。そしたら、ものすごい量のがらくたが出てくる出てくる。その量、およそ600キロ!(50リットルのゴミ袋が12袋なので、厳密には「キロ」ではなく「リットル」だが)―参った参った。せっかく仕事休んだのに、全然休んだ気がしない。それでも、引っ越しの期日はもう間近なので、もくもくとホコリ立つ中、黙々と作業を進める。そして、2日目である本日夜。ようやくあらかた片付いた。20年で蓄えた、がらくたという名の財産は半分以上処分した。それでも、どうしても捨てられない思い出の写真やCD、レコードやおもちゃなどは実家の引っ越し先に持っていってもらうことに。
本来なら、世話になった友達に一声かけてからこの場所を去りたかった。でも、先週は土曜日も遅くまで仕事で、結局地元に戻ったのは日曜の昼。がらくたの処分に時間がかかりすぎて、友達に声をかける時間もないまま、この場所を去ることになってしまった。大変心苦しいが、まあこれも運命。ほんとの友達なら、場所が変わったくらいで連絡しなくなるようなことはなかろう。
そう思い、僕はまた勤務先のある地方都市へと戻っていくのだった。みなさん、さようなら。そしてありがとう!