僕の好きな漫画ランキングベスト7。注意しなければならないのが、僕がベスト7として挙げているのはあくまで「黙示録」であり、「カイジシリーズ全体」としての評価ではない。「破戒録」以降も地下チンチロ編や救出編は面白かったけど、シリーズ全体として見れば今のところベスト30も危ない(笑)。
さて、この賭博黙示録カイジを初めて読んだのは20歳くらいの頃だったかな。漫画好きの友達が「今話題らしい」ということで、限定ジャンケン編を全部貸してくれたのだ。
記念すべき1ページ目に書かれていたのは「未来は僕らの手の中」──ブルーハーツじゃん!といきなり先制のジャブを喰らった気分だった。下手な絵は気にならなかった。
そして、高級車にいたずらして回るダメダメな主人公・カイジがヤクザの口車に乗せられてエスポワールに乗船する。いきなり詐欺師・船井に騙されて致命的なミスをするが、窮地に立たされてから徐々に覚醒していくカイジ。読み始めたら止まらなかった。そのままなけなしのバイト代をはたいて全巻揃えたっけ。
そして、衝撃の鉄骨渡り編。もうこれが名台詞のオンパレードなわけ。
「人は生まれながら心中に怪物を飼っている・・その名は死・・死ぬということ・・」
「金もいらないっ!何もいらないっ!40まで借金でもいい・・なんでもいい・・ただ生きたいっ!」
「あの怖がり屋、臆病者の石田さんが無言で落ちた・・!」
「世界に57億の民がいるのなら・・57億の孤独があり、そしてその全てが癒されぬまま死ぬ・・」
「人間が・・つまり・・希望そのものだったんだ・・」
最後、ガラスの階段に足を乗せるカイジには心底感情移入してしまい、初めて読んだときは震えが止まらなかった。
そしてEカード編。これも緊張感を保ったまま話が進み、焼き土下座、クジ引きでの敗北まで目が離せない展開が続いて黙示録は終わる。僕の好きな漫画ランキングベスト3は今後紹介していくが、ここまで心拍数を上げてくれた漫画は他にない。
以上